太古の海の記憶、安らぎの香り

今まで「アロマセラピーなんざ女々しくてしゃらくせえ」っていう考え方だったんだけど、カロ藤宅でアロマを焚いてもらってその良さを実感してから「アロマも案外わるいもんじゃない」派に乗り換えた。


考えてみれば、アロマセラピーの薬効はあるのだと思う。
嗅覚と記憶は直結している。記憶を司る海馬によって匂いパターンは照合されるが、もちろん海馬には子どもの頃の綿密な記憶や初恋の淡い思い出も収納されている。だから懐かしい香りは、過去の情景や感情を次々と甦らせてしまうスイッチになりうる。経験的にそれをご存知の方も少なくないはずだ。


生物の起源から今に至るまで10億年の進化の過程が人間の脳には刻まれていると聞く。そして、嗅覚(化学感覚)は単細胞生物にも存在する最も原始的な感覚だ。
これは妄想ともいえる勝手な憶測だが、なんともいえない香りで安らいでいるとき我々は、もしかすると太古の海で浮遊していた単細胞生物の頃の記憶を呼び覚ましているのかもしれない。
そう考えるととても興味深いものだ。


そんなわけで、

先日、アロマスターターキットみたいなやつを雑貨屋で買ってきました。


同梱されていたピンクとブルーのオイルは、「フレグランスオイル」といって香りを楽しむものらしく、香水臭いだけでなんかあんまり良くなかった。なので昨日、植物から採られた芳香油(精油)である「エッセンシャルオイル」なるものを買ってきた。(左の小瓶)
“カモマイル”というやつで、安眠の効用があるらしい。
焚いてみたが、香水臭くなく優しい香りが仄かにする。いい感じ。


アロマ芳香浴で自分のクオリアを撫でてみるのも、案外わるいもんじゃない。

追記

「海馬」に匂いパターンや思い出が蓄積されている…って、なんか雰囲気で書いてしまったけど“知ったか”だった(笑)。短期記憶を司っているのが大脳辺縁系の海馬で、長期記憶は大脳の長期記憶貯蔵(LTS)というところにあるらしい。もう一度、勉強しなおしてきます。