バズワードとネーミング


一昨日のエントリーid:aretoky氏から頂いた情報を裏付けるソースを見つけた。

http://ascii.jp/elem/000/000/053/53790/


コンセプトの発明者の仕事は、新しいコンセプトを生み出すことだけにとどまらない。そのコンセプトを人々に正しく伝えるための「ネーミング」が重要な仕事なのである。
(中略)
本来の意味を十分理解されず、マーケティングの文脈で濫用されているラベル「ユビキタス」は、残念ながら、かつてはやった「ニューメディア」や「マルチメディア」のように、一過性の流行歌のような運命にあると思われる。


特に,コンピュータの世界はバズワードが盛んだ。
毎日のように「発明」されるバズワードを一つ一つ丁寧に理解しようとすると、うんざりすることもある。


Web2.0”ってのもソシュール言語学でいうところの「ラング」であって,名付け親であるティム・オライリーの真意と全然違う意味(体系)でみんな使ってるんじゃないかと思う。無論、私も含めて。


ネーミングセンスに定評のある山田真哉さん(通称、さおだけ屋の人)曰く、「Web2.0」というネーミングの良さは、だれでも簡単に「これまでのインターネットはバージョンの1.0で、これからは2.0なんだ。そして未来には3.0が待ってる!」っていう発想に落としこめる数字の魔力があることだそうな。
そしてそれはあながち間違ってなくてみんなこぞってWeb3.0を議論したり、DoCoMo2.0のように流行の波に乗っかったりしている。


だけど、それってどうなのよ?って思ったりもする。
所詮「ニューメディア」と変わらない認識なんじゃないかな。
じゃあなに?って言われたら、返答に困るから、また今度考えとくけど。


少なくともオライリーひろゆきとの対談でこう言っている。

ひろゆきがティム・オライリーに直接きいた、「Web2.0ってなんだったの?」 - (page 2) - CNET Japan

インターネット上ではみんな同じソフトを使ってるんだから。Apacheとかブラウザとか、みんなフリーでしょ。価値が無くなったかというとそうではない。IBMのPCのときは、価値のあるところがハードからソフトに変化したってこと。つまり、インターネットはソフトウェアの価値を何か違うところに持っていこうとしてる。それは何か。それが、Web 2.0なんだ。

これって、いわゆる「ロングテール」がどーのこーのって話じゃなくて、オライリーがその先見性を具象化して絞り出した言葉な気がする。


ネーミングによる認知や概念形成は特効薬になる反面、劇薬にもなりうる。
コンセプトの流行り廃りが激しい世界で何が大事なことなのか見据える力が欲しいと思った。